① Docker Desktop
特徴
- Docker 社が提供する公式のコンテナ開発ツール。
- GUI でコンテナの管理ができ、Kubernetes も組み込みで利用可能。
- Windows/Mac で WSL2 や Hyper-V を利用して Linux コンテナを動作させる。
メリット
- 公式サポートが充実 → Docker 社が開発しており、安定している。
- 開発環境向けの GUI が充実 → Docker Compose やコンテナの管理が直感的。
- エコシステムが豊富 → Docker Hub や公式プラグインが充実。
- Kubernetes (K8s) の組み込み → ローカルでの K8s 環境構築が簡単。
デメリット
- 商用利用に制限がある → 企業(250人以上または売上1,000万ドル以上)は有償ライセンスが必要。
- リソース消費が大きい → 特に Mac (M1/M2) 環境ではメモリ使用量が多い。
- WSL2 依存(Windows) → Windows で動かす場合、WSL2 が前提になるため環境によっては設定が面倒。
公式サイト:https://www.docker.com/ja-jp
② Rancher Desktop
特徴
- SUSE が開発 しているオープンソースのコンテナ管理ツール。
- Docker の代替として使える
containerd
ベース。 - Kubernetes が標準搭載 されており、開発向けに最適化。
nerdctl
コマンドで Docker 互換の操作が可能。
メリット
- 完全無料&オープンソース → 商用利用もOK。
- Kubernetes の統合 →
kubectl
やhelm
がすぐに使える。 - Docker なしでもコンテナが動く →
containerd
やnerdctl
を利用。 - WSL2 統合(Windows) → Docker Desktop なしでも動作可能。環境構築が簡単。
デメリット
- 互換性に注意 → 一部の Docker 機能(特に GUI ツールや Docker Compose v1)が動かないことがある。
- 学習コストがある →
nerdctl
など Docker 以外のツールを覚える必要がある。 - パフォーマンスの問題(場合による) → Rancher Desktop の Kubernetes はリソースを多く消費することがある。
公式サイト:https://rancherdesktop.io/
③ Podman Desktop
特徴
- Red Hat (IBM) が開発 する Podman の GUI フロントエンド。
- Docker デーモン不要 でコンテナを実行できる。
- Rootless コンテナ がデフォルトで動作し、セキュリティ面で優れる。
- Windows / Mac では WSL2 を利用する。
メリット
- 完全無料&オープンソース → 商用でも制約なし。
- Rootless(非特権ユーザーで動作) → セキュリティが強化される。
- Docker CLI 互換 →
alias docker=podman
でほぼ同じ操作が可能。 - 軽量&リソース消費が少ない → Docker Desktop よりメモリ使用量が少ない。
デメリット
- Docker Compose の互換性が微妙 →
podman-compose
は一部機能が未対応。 - Kubernetes との統合が弱い → Rancher Desktop や Docker Desktop ほどスムーズに Kubernetes を扱えない。
- GUI 機能がまだ発展途上 → Podman Desktop は最近できたツールで、GUI 機能が限定的。
公式サイト:https://podman-desktop.io/
Docker Desktop | Rancher Desktop | Podman Desktop | |
---|---|---|---|
商用利用 | 有償(条件あり) | 無料 | 無料 |
Docker 互換性 | 100% | 一部互換(nerdctl ) | ほぼ互換(Compose は一部問題) |
Kubernetes | 標準搭載 | 標準搭載 | 弱い |
セキュリティ | 一般的 | 比較的高い | 高い(Rootless) |
リソース消費 | 高い | 中程度 | 低い |
学習コスト | 低い(Docker のまま) | 中程度(nerdctl の習得が必要) | 高め(Docker 互換だけど一部異なる) |
ローカル環境でDockerやPodmanを使うときのクライアントツール